日吉歯科診療所汐留スタイル

コンサルブログ | 2016年2月17日

一昨日、東京汐留で3月30日に開院する日吉歯科診療所汐留を見学する機会がありました。現在、歯科界では1歯科医院の患者数は1日あたり約14人に減少し、生活者の高齢化も進み、マーケットリサーチをしないで開業は成立しない状況です。そういった点から、歯科医院のデザインはより商業建築的要素が色濃くなり「デンタルクリニックらしくない」という部分にポイントが置かれ設計・デザインすることが主流になってきています。

日吉歯科診療所汐留は、東京においても山形県庄内の本院のインテリアデザインをほぼそのまま移植するイメージと聞いていましたが、さてどうだったでしょうか。私は仕事柄、歯科医院建築やインテリアデザインを辛口に見る嫌いがあり、一定の基準を持って評価しています。

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歯科医院の平面プランニングの必要諸室・コーナーを3つに分けて、それぞれの目的と機能が明確でなければ、いくら商業デザインとして優れていても医療機関のデザインとしては評価していません。まず患者だけの動線(駐車場・階段/スロープ・入り口・待合室・手洗い洗口・トイレなど)、医療従事者だけの動線(院長室・スタッフルーム・消毒滅菌室/コーナー・技工室/コーナー・トイレなど)、そして患者と医療従事者が混在する領域(診療室・レントゲン/CT室・カウセリングコーナー・オペ室など)、このような諸室・コーナーの効率性と感染予防対策が十分に施された上でプライバシーも守られていて、照度700ルクス以上の居心地の良い空間が、医療機関インテリアデザインとしてあるべきだと思っています。このような私的な基準は、都内の歯科医院はほとんどクリアしないのですが、日吉歯科診療所汐留は軽々とクリアしていました。

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診療室は5箇所あり全て個室、個室の広さは保健所の施設基準5.4㎡(ユニット1台当たり)の約2倍あり、採光は十分で眼下には汐留イタリア街が広がるロケーション。消毒滅菌室も他の諸室から確立された個室。そして汐留診療室の眼目は医院内の通路幅の広さ、特に待合から診療スペースへ移動するスロープ幅と空間雰囲気は医院の安定感を感じられてとても気に入りました。カラーリングの基調色は白、キーカーラーは和色のえんじ、待合室とフローリングは木目調で、落ち着いた感じで仕上げられていて、平凡にして非凡といった感じです。

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日吉歯科診療所汐留の施設のインテリアデザインの特徴をまとめると、

  1. 待合室は過剰に広くはないがシック
  2. 万全な感染予防対策
  3. 十分な医療廃棄物スペース
  4. チェアユニットは広い個室
  5. 確立された患者・医療者の動線
  6. 患者のプライバシー保護
  7. バリアフリー仕様
  8. インフォームド・コンセントが受けられる

これらのことが挙げることができます。昨今、歯科医院は、サインがなければ歯科医院と気がつかないようなインテリアデザインが持て囃されています。方や日吉歯科診療所汐留のインテリアデザインは、商業建築的要素も取り込みつつ、医療機関であるプライドと清潔感、安定感にも配慮し、幼児から高齢者まで違和感なく安全に利用できるインテリアデザインでした。開院前ですから画像では紹介できませんが、これから開業や改装を考える歯科医師には、不易流行「日吉歯科スタイル」は参考になるはずです。