「広告で患者を集める」から「信頼で患者が集まる」医院へ
〜後藤新平の思想に学ぶ、これからの歯科経営のあり方〜

最近、「Googleマップで上位表示!」「LPを変えれば自費率アップ!」「SNSから集患できます!」といった文句を掲げる歯科コンサルティングの広告をよく見かけます。

確かに、広告や情報発信は医院の存在を知ってもらうきっかけとして効果的です。医院経営においても、“知ってもらう努力”を怠ることはできません。

しかし、こう問い直す必要があります。
広告で“知ってもらった”あとに、“通い続けたい医院”になれているか?
この問いに真摯に向き合うとき、単なるテクニックを超えた、医院としての「軸」が求められます。

 

広告はきっかけ。では、「続く理由」は?

SNSや口コミで来院が増えても、初診で終わってしまったり、キャンセルが続いたり、紹介につながらなかったりする。
そんな悩みを持つ歯科医院は少なくありません。

その理由の多くは、「医院としての姿勢」が患者に伝わっていないことにあります。
一貫した理念が見えず、受けた診療と医院の雰囲気に“芯”が感じられない。だから、「何となく不安」「また行こうと思えない」という感覚が生まれてしまうのです。

 

後藤新平に学ぶ「理念経営」の原則――三決とは?

明治・大正期に活躍した後藤新平は、日本の衛生行政や都市復興を担った政治家であり、医師でもありました。彼が政策実行の原則として提唱した「三決(さんけつ)」は、医院経営にもそのまま応用できます。

▷ 一決:目的を決する

「この医院は何のために存在するのか?」
地域の子どもたちをむし歯ゼロで育てたい。高齢者が口から食べ続けられる支援をしたい。
この“存在理由”が言語化されているかどうかで、医院の軸は大きく変わります。

▷ 二決:政策を決する

目的を実現するための診療体制、運営方針、スタッフ教育を設計する。
たとえば、MTM(メディカルトリートメントモデル)や担当衛生士制の導入などがその一例です。

▷ 三決:財源を決する

その仕組みを継続するための経営体制を整える。
自費と保険のバランス、キャンセル対策、スタッフ給与の設計も含めた現実的な持続戦略が不可欠です。

 

長く通いたくなる医院には、必ず「人の三訣」がある

後藤新平が人生訓として残した「人の三訣(さんけつ)」もまた、歯科医院の組織文化を支える大切な指針です。

  1. 人の世話をしろ
  2. 人の世話になるな
  3. 報酬を求めるな

これらは医療者にとって、職業倫理の原点ともいえるものです。

・人の世話をしろ
 患者の人生を支える気持ちで診療にあたる

・人の世話になるな
 院長もスタッフも、学びを止めず、自律したチームである

・報酬を求めるな
 「ありがとう」が最大の報酬という気持ちで動く

この三訣が文化として根付いた医院では、広告がなくても患者が自然と集まります。
「ここに通いたい」「あの先生に診てもらいたい」「子どもを任せたい」――その信頼が、紹介や定着という“広告以上の力”を生むのです。

 

「本物の医院」には、発信力と理念の両方がある

広告やSNSは、きっかけにはなります。
しかし、「続く医院」「紹介される医院」には、それ以上の“理由”が必要です。

それは、理念を明確に言葉にし、それを日々の診療・接遇・教育・広報すべてに一貫して落とし込んでいるかどうかです。
理念が“外に向かって”発信されているだけでなく、“院内に向かって”共有されていることが、継続力と信頼につながります。

 

私たちが支援するのは「ブレない医院づくり」です

私たちは歯科医院の経営コンサルティングにおいて、「短期的な集患」や「見た目の数値」だけを追う支援は行っていません。

目指しているのは、以下のような医院づくりです

  • 院長の理念がスタッフ全員に共有されている
  • 患者からの信頼が口コミや紹介につながっている
  • 広告やSNSも“理念に基づく”発信として設計されている
  • 経営においても理念と現実のバランスが取れている

 

広告と理念の“両輪”で未来をつくる

「理念だけでは経営が成り立たない」
「広告だけでは信頼は得られない」

この両方が真実です。

だからこそ、私たちは理念を軸に、現実的な運営と発信を設計することを重視しています。

後藤新平が遺した「三決」と「三訣」は、まさにその道を照らす原理です。
医院を“本物”にするには、理念と行動、設計と継続、信頼と伝達。すべてが必要です。

そして本物の医院には、広告以上の力が育ち始めます。
それは「この医院に出会えてよかった」という、患者の実感です。

 



=ご相談・お問い合わせ=

  • 院長としての理念を整理し、言語化したい方
  • スタッフと理念を共有し、文化として根付かせたい方
  • SNSや広告を、医院の軸に合わせて見直したい方

ぜひ一度、私たちにご相談ください。
医院の“本質”から始まる経営づくりを、共に歩みましょう。

お問い合わせ