Think global , Act local

新潟へ向かう車窓に雨しずくが流れだした。昨日の山梨のエリア観察も雨だった。どちらの歯科医も親子継承から独立に切り替え、開業する案件である。親子継承の難しさは、親子の診療スタイルの違いに結びつけられるが、実際は親の時代と子の時代では、地域環境が劇的に変化していることが原因な場合が多い。つまり、Think の違いではなく、 local の違いだ。

どちらの歯科医もメーカーが器材選定とマーケティングをしている。しかし、だ。これが、問題な場合が多く、開業時のCTやマイクロなどへの初期過剰投資を引きずっての開業計画になりがちなのだ。開業時の初期投資の肥大が、初期経営期間に与えるインパクトの大きさがわかっていない。過大な設備投資は、歯科医が経営者として「歩けるようになる前に、全力で走らせること」を強いるようなものだ。まずは、一歩一歩を確実に歩けるようになることが優先されることは、人の子を例にするまでもない。

CTなどの設備はグローバル基準の診療を目指すには必須なものであることは、理解しているし、そうあるべきと思う。しかし、当たり前のことだが経営とは単年度があって、中長期がある。確かに開業時の短期だけを考えていては、歯科医の情熱は冷え持続的医院経営も見えてこない。だからといって、長期的展望ばかりを考えていては、短期をマネジメントできない。開業時は短期に比重を置き、患者母数の拡大を図り、2~3年目からは中長期に比重を置き、設備投資による診療の質の向上を考える、つまり「歩けるようになってから、走ること」が、医院経営の鉄則である。

グローバルスタンダードな診療を念頭に置き、地域医療のマーケティングに注力する。グローバルなスタイルは、地域に信頼が根付いていない医院では成功しない場合が多い。それは、どんなグローバルスタンダードな医療でも、それを施すのも人で受けるのも人だからである。

歯科医院経営には、Think global , Act local 、グローバルに考え、ローカルに行動することが、成功へのベストウェイだ。

はじめまして、クレセル株式会社代表取締役の伊藤日出男です。

日々マーケティング、とことん現場主義を大切にしています。

全国の歯科医院、開業候補地を飛び回り、院長とのやり取り、スタッフとの会話、若手歯科医師との開業前後の相談、歯科大生との交流から、見たこと・感じたこと・考えたことを、歯科界を取り巻く環境を踏まえてレポートしていきます。

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